虹が晴れる

May everything be there.

金沢

先月、金沢にひとり旅行へ行ったのだが、ひとりで勝手に行って、勝手に帰ってきただけだった。

まず、いい宿泊先がみつからない。これほどインターネットが浸透して、旅行のサービスがあるのに。

たいていは、ただホテルや旅館を、値段とあわせてリストにしてくれるだけだ。ときどき「こんな旅行はいかがですか?」ってかんじに疲れを癒す温泉旅を都会ではたらく女の人向けに提案するコンテンツを置いていたりもする。けど、そこにあたしの欲しい旅行はない。

さがしていてわかったのだけど、たぶん、たいていのひとは、自分がどんな旅行に行きたいかなんて、持っていないのだ。どこかで見たか聞いた、もっともらしい旅行を、旅行として考えていて、それに沿って物事を決める。

あたしが欲しかったのは、内湯のあるちょっといい旅館の部屋と、インターネット接続と、ふかふかの布団と、おひとりさまをいい感じにしてくれる食事がたべられる場所。一泊2万円か3万円くらいで、本を読んだり、気が向いたらお風呂、できれば温泉がいい、その温泉に入って、あがったら浴衣を着て、脱衣所のところにコーヒー牛乳が売ってて、ただそれを買って飲むだけなのに、自分にとってはアドベンチャーかのようにどぎまぎして買って、「うー、うまい!」とやる感じの。書いて気づいたけどお風呂あがりのコーヒー牛乳は、温泉じゃなくて銭湯か。まあいいや。で、部屋にもどってきてツイッターをながめてぼーっとするのだ。できれば、写真の一枚くらいはツイートして、旅行を満喫してる感くらいは出してもいいとも思う。

そんなのが欲しかった。が、そんなのは、みつからなかった。旅行業界っていうのは、家族か、シニアか、2〜4人くらいの女性たちしか相手にしていないんじゃないか。そんなふうに感じた。だから、あたしのような、16歳のおひとりさまにぴったりのプランなんてのは、用意されていなさそうだった。

と、世間から否定されているような気持ちを感じつつ、旅館と温泉の内湯(とコーヒー牛乳)をあきらめて、金沢市内の、温泉じゃない内湯つきの部屋をとった。

新幹線は、iPhone でサクッと予約すればいいと思っていたが、あたしがよく乗るのは、JR東海東海道新幹線で、金沢まで行くのはJR東日本北陸新幹線。予約のシステムがまったくちがう。北陸新幹線は、ちょうど今月からチケットレス乗車ができるサービスがはじまるそうで、結局、インターネットで予約はできたものの、券売機でチケットを発行して乗った。2020 年でやっとだよ。

きりがいいので、つづきはまた次に書こうと思う。

今日は、くもりの予報だった気がするけど、晴れてる。