虹が晴れる

May everything be there.

FF7 雑感

『デス・ストランディング』のあと、A さんにおすすめされた『スーパーマリオ オデッセイ』をやろうと思っていた。ぼく自身も興味があって、ダウンロードして少し遊んだものの、そのままになっていたのもあり、ちょうどいい。

なのに、リメイクが発売される『ファイナルファンタジー7』に手を出してしまった。FF7R には期待をしているので、オリジナルを復習しておかないと。リメイクは4月10日に発売されるので、その前にやっておきたかった。無事クリアしたので雑感。

オリジナルで素晴らしいのは、人形みたいな少ないポリゴンで描かれたキャラクターの動かし方に、その人物の個性がみごとに活きているところだと思う。なんとかかんとか動かしてお芝居をさせているようにも見えるのだけど、じんわり愛らしい気持ちになる。細部を描かずとも、人物像が表現されている。

台詞は短くシンプル。状況をわかりやすく進めるものが多く、制作時にそういうことが意識されていたのではと思う。当時はゲームに録音した声が入っていったころだったが、FF7 はボイスなし。モーションの演出に比べると、言葉での人物描写には、少し物足りなさを感じた。

これらの演出法とは別に、ストーリーの違和感として、主人公クラウドの、ティファとエアリスとの関係性は、より厚く描くべきだったのではと思う。物語の後半では、この女性2人との関係性が、メインの物語上でも、クラウドの気持ちの上でも重要な位置づけになっていく。しかし、物語上それほどの位置づけで扱えるだけの関係性を描く土台づくりが足りなかったように思う。

ティファは幼少期わずかに関係性があったにせよ、旅のあいだでそこまで急接近するようなできごとも描かれていない。にも関わらず、自らの身の振り方を変えるほどかなり献身的にクラウドのことを支えるし、ほかの仲間に見られたらのたうち回るほど恥ずかしがるくらいにはクラウドといちゃいちゃする。エアリスに至ってはあたかも正統派ヒロインぶってはいるけれど、実のところの言動からするとけっこうな小悪魔系で、あざとい TBS アナウンサーポジションなんじゃないかと勘繰ってしまう。まあ、その言動も、彼女が自らの置かれた運命にあらがおう、立ち向かおうとする強い気持ちの現れだったんだと括ってしまえは、する。よし、エアリスはよしとする。

言いすぎた。

リメイク1作目では、オリジナルの物語でいうミッドガル脱出までが描かれるという。本作のディレクターは「本筋は変えていない」とは言うものの、おそらくエヴァの新劇場版のように大胆に変えたほうがおもしろくなることはわかっていると思うし、オリジナルののちに発売された関連作品からオリジナルに還元される部分も出てくるだろうこと、すでにわかっているだけでも新しいキャラクターなどが出てきたりと、オリジナルからの差分は大きい。

僕がプレイしたところ、オリジナルでミッドガル脱出までにかかった時間は、4時間30分だった。もちろん復習せずに遊ぶもよしだが、差分を楽しむというのもリメイクならではの楽しみ方ではないだろうか。